呼吸のように・・・

俳句のエッセー

ペンダント

母のペンダントが出てきました。

黒ずんでいたので、磨いてみましたところ、

金色に輝くまでになりました。

分かりませんが、銅が主成分なのでしょうか。

10円玉ほど赤くはありませんが、似たような色合いです。

これは、マニラでいただいたという、土産物だと思うのですが、

かなり適当な鋳造のペンダントです。

ただ、特別な意味があって、母は大切にしていたようです。

それは、マリア様が象られているということからです。

母は、キリスト教徒ではありませんでしたが、

お守りのようにして、いつも身に着けていました。

そのころは未信者でしたし、私はカトリックではありませんので、

これまで気にしなかったのですが、

ルルドやファティマのことを知り、近頃は、違った見方をしています。

神様は、今も、私たちにメッセージをくださっていると思うのです。

そう言えば、ルルドの聖石という、米粒みたいな小さな石も、

随分、昔から持っています。父から貰ったものです。

気が付かない間に、神様の恵みは、我が家にもたらされていたようです。

不思議です。

そのペンダントを磨き上げて、姉に見せたところ、

姉も同じものを持っていると言い出しました。

初めて聞きました。

母と姉とで、おそろいのペンダントをお守りにしていたようです。

見ると、姉のマリア様も真っ黒に錆びていましたので、

きれいにして差し上げました。

マリア様は、ピカピカになりました。

何となく、気分は晴れやかです。

不思議と幸せいっぱいになり、神様が近くにいて下さると確信しました。

信じられない私に、繰り返し、

「わたしはここに居る、ここに居る」と

仰ってくださっているようで、嬉しいのです。

信仰は喜びです。

ご一緒に、いかがですか。