呼吸のように・・・

俳句のエッセー

二月尽

写真を撮りに、城跡へ行きました。
ここは、旧加賀藩のお城でしたが、
一国一城の令により廃されたお城です。
今は、観桜路が整備され、梅林も作られました。
梅は、紅梅。
ちりちりと立ち上る炎のように、真っ直ぐに、
谷の風を染めていました。
そこへ、
聞き覚えのある鳴き声が。
なんだっけ?ほーほけきょ?
口真似して気付きました。
鶯です。
なんと、初音ではありませんか。
まだ、ホー、ホキョ!
といった未熟な声でしたが、確かに鶯でした。
もう初音を聞いてしまった。
まだ二月だというのに。
せっかちな鶯の二月尽でした。