呼吸のように・・・

俳句のエッセー

知覧の石

もう少し、時間的にも余裕ができたら、

知覧へ行きたい。

知覧へ行って、俳句を詠みたい。

知覧の小石を取り、話しかけたい。

石よ、お前は見たのか。

多くの若者が、ここから飛び立って行ったのを。

年よりも大人びた顔をした若者が、

ここから飛び立って行ったのを。

彼らは、もう、この地上にはいない。

石よ、彼らの見たものを教えて欲しい。

彼らの姿を教えて欲しい。

この空、この土、そして海。

彼らの目で捉え、俳句にしたい。

失われた心が文字となるように。