呼吸のように・・・

俳句のエッセー

左義長

左義長、どんど。

今日は左義長でした。

句材になるので、毎年、出かけています。

日の沈む5時ごろから祝詞が上り、

火入れをして、7時ごろまで、皆が火を見守るというのが常です。

めった汁が振る舞われて、寒さをしのぎます。

さて、今日は3時から持ち込み可ということで、

注連飾りなど手に出かけました。

消防車が待機しています。

禰宜が三人ほど集まっていました。

早々と、ご苦労なことです。

すでに竹組に、毛筆のあれこれ、お飾りのあれこれが、くくられていました。

男衆が周りに待機しています。

その輪の中へ入り、ヨイショと手にしていたものを

竹組の中へ入れようとした、その時、

油の匂いがして、いきなり左右から火が迫ってきました。

驚いたのなんの。

私まで燃やしてしまう勢いです。

大慌てで、手にしていたものを放り投げて逃げ出しましたが、

投げた物が火の中に入らず、砂の上に落下してしまいました。

「間に合いませんでした!」

思わず、助けて、と言わんばかりの私でした。が、そこへ、

男衆の一人がやって来て、

「間に合うよ」と笑顔で、

私の落とした物を、火にくべてくださいました。

時は3時30分。

今年の火入れは、3時30分でした。

こんな真昼間から、どんどの火は燃えあがり、

竹がボンボンと音を立て、町へ轟きます。

煙が流れ、そのうすぼんやりした影が、さざ波のように

砂原の上を動いていきました。

「絵にならないな・・・」

それは、まるで昼行燈のようで、

感動も今一つだったのでした。

今年は、珍しく雪もなく、青空が広がっていたためか、

焔が映えませんでした。

左義長は、夜がお似合い、ではないでしょうか。

そもそも、油を使うとは反則ではないですか。

だんだんと簡略化されて、

つまらなくなっていく気がします。

ちょっと残念などんどでした。