呼吸のように・・・

俳句のエッセー

浮寝鳥

浮寝鳥ゆれゐて吾もゆれにけり   田島 和生

浮寝鳥がゆらゆらと波に浮いているのでしょう。
揺れている浮寝鳥をじっと見ていると、
自分が揺れているように感じます。
それほど、のめり込んでご覧になっていたのでしょうか。
写生に集中されて、いつしかご自分も浮寝鳥と一体化して、
揺れているように感じた、のでしょうか。
「吾も揺れにけり」
私もゆれてしまったよ、という断定がいいですね。
対象に心を寄せる、俳句の姿勢を思います。