呼吸のように・・・

俳句のエッセー

有磯海

  有磯海をちの連山雪来る   田島 和生

「雉」誌1月号より。
今日は三日。有磯海へ出掛けたところでして、
この句を新鮮に思いました。
今日は、雪になったり雨になったりの一日でした。
比較的暖かでしたので、氷見漁港から
対岸にある立山を見ることはできませんでしたが、
冬の冷え込んだ日であれば、有磯海に浮ぶ立山を見ることができます。
「をちの連山」とは、立山に違いないでしょう。
立山は、一年中雪に覆われていますが、
初冠雪後の立山は、一層、雄々しく聳え、
近くに迫ってくるように感じられます。
この冬の立山を思いました。
今日の氷見漁港は、船ごとに大漁旗を掲げて、
新年をお祝いしていました。
引き潮で、堤防には、何故か小さな河豚が揚がっていて、
もしかすると、鷗のいたずらかもしれないと思いました。
風は冷たく、波消しに波が鳴り、
定置網は、すぐそこに見えています。
鰤漁は、今が盛り。
富山湾の幸をも思わせる一句です。