呼吸のように・・・

俳句のエッセー

水脈の果て

金子兜太先生は、今年2月20日、逝去されました。
大正8年生まれ。
沢木欣一先生と同い歳でした。
そして、片岡茂太郎長老は、大正10年12月1日生まれ。
11月13日逝去されました。
 戦は遠くなりにけり…
戦争経験者は減っていきます。
金子兜太先生は、西太平洋トラック島へ派遣されました。
片岡長老は、ニューギニア、ウエワクへ。
その後、転戦され、ルソン島終戦を迎えました。
金子兜太先生の、日本へ帰る船において詠まれた俳句です。
 水脈の果て炎天の墓碑を置きて去る
沢山の死者の魂を詠んでいるようです。
片岡長老の伝記は、今年3月に書き上げました。
それは、信仰の証であり、
全ての経験が、信仰に集約されているのだと言います。
これは、神様へのラブレターでした。
長老が出会った、そして別れた人々すべてを含めて、
人間から神様へのラブレターでした。
神様による、片岡長老の物語に違いないのですが、
神様が人によって書かせた物語に違いありません。
神の手段は人、と言われます。
片岡長老の物語は、神様のものであり、人間片岡のものです。
「片岡という男がおったということを忘れんといて…」
「忘れるもんですか!」
この物語が、事実、神様によって豊かに用いられて行きますように。
これからも、長老が亡くなったこれからも、
片岡長老物語の第二編が作り上げられますように、
願ってやみません。