呼吸のように・・・

俳句のエッセー

冬の虹

片岡長老を送り、わたしも、誰も、

悲しみを仕舞い込んで、

今日の午後を過ごされたと思います。

このまま、じっとしているのに耐えられなくて、

何処かへ出掛けたいと思いました。

何処へ行けば、長老にあえるかと考え、

海へ行こうと話し合いました。

千里浜へ。

途中、自販機のコーヒーを飲み、

気持ちを整えながら、また走り、

千里浜ドライブウェイへ入りました。

今日も心地よい小春日でしたが、

雲がうっすらと空全体を覆っていました。

日の光りが霞んで、散っています。

オリーブ色の海でした。

車を停めて、写真を撮り、また進みます。

長いドライブウェイを、ゆっくりとゆっくりと、

普段と違う重苦しい何かを引きずりながら、

私たちは走って行きました。

誰にも会いませんでした。

何も起こりませんでした。

・・・長老は、どこへ行ったのかな。

神様のところ。もう痛いこともないし、悲しいこともないし。

そうだね。・・・でも、そうかな。

悲しくないかな。

寂しくないかな。

・・・・・・

答えもなく、ただ、走っていました。

海がきれいでした。冬の弱い日差しを愛しんで、

雲の端々が、輝いていました。

薄雲は空全体を覆っていたので、青空は見えませんでした。

が、ふと、雲が切れ始め、その小さな青空から、

小さな虹が、雲の間に立ち上るようにかかったのでした。

小さな小さな虹。

これは、約束の虹。

神様は、私たちを滅ぼさないと言っていらっしゃる。

そう、永遠の命が与えられているんだから。

そして、

長老からのメッセージです。

歳晩、半年ほど苦しんだかも知れないけれども、

永遠の命に比べれば、大したことない。

信じて来て良かった。

神様は、栄光をくださる。

間違ってはいなかった。

長老の言葉が届いてきました。

私たちの信仰の揺らぎを、払拭してくれました。

今日は、長老に会えた!

長老の言っていたことは、信じていいのだと

長老が伝えてくださったのだと、そう思いました。

きっと、天国で再会できます。

これまで以上に、しっかりと歩んでいけると思います。

片岡長老、有難うございました。

神様、有難うございます。

信仰を持って、生きてゆきます。