呼吸のように・・・

俳句のエッセー

大南風

  石室の奥壁あらは大南風   田島 和生

なるほど!「大南風(おおみなみ)」ですか。
思わず口にしました。
「石室」とは、古墳だと思います。
遠雷の聞こえて来た塚の中へ入っていらして、
あるいは、覗いて、奥の壁まですっきりと見通せたのでしょう。
「大南風」という季語が活きて、奥まで見通せる空間を物語っています。
季語は俳句の中心。季語が俳句の命です。
脱帽しました。