呼吸のように・・・

俳句のエッセー

百日紅

梅雨最中。
水辺には、葭切がしきりに鳴いています。
燕も巣立ちを迎えているようで、
屋根に来ては、並んで同じ方向を見ている、子燕。
飛び立って、翻る時の背の青さは眩いばかりです。
このころ、我が家の近くでは、チェーンソーの音が絶えません。
それは、街路樹の剪定をしているので、
お昼時間以外は、延々とジューッと続くのでした。
道路拡幅の時に植えられた街路樹は、未だに名前が不明、
花は咲かず、その代わり、葉にいぼのようなものが赤くできるという
不思議な木です…
見ていて、それほど美しくもなく、香りがいいわけでもなく、
住民の感想は、ただ
「予算がなかったんだろう…」に、尽きます。
さて、能登方面へ出かけた際、いわゆる口能登と言われる辺りは、
街路樹が百日紅でした。
百日紅の花は長く楽しめて、また、色も白から桃、赤と、
バリエーション豊かです。
百日紅ならいいのに」
そう思います。
いつか、ヒマになったら…
この辺りの街路樹を百日紅にする「百日紅運動」を、
お向かいのN先生にしてもらおう。
自分でしようという、殊勝な考えは、ありません。
あくまでN先生をけしかけて、事を起こそうという魂胆です。
いつか、N先生がヒマになったら…
百日紅にできたらいいなと、妄想に近い希望を抱くのでした。