呼吸のように・・・

俳句のエッセー

揚雲雀

春になると、雲雀が楽しそうに囀り始めます。
雲雀は、歌手の名前になったほど、
とぎれなく、多様に、ころころと鳴き声をつづるのです。
野原一面に、雲雀の歌が響き、
野を飛び出した雲雀は、おずおずと空を昇り、
点になっても、さえずりは変わらず響いて来ます。
その愛らしい雲雀が、数を減らしていると聞きました。
天敵は、なんと「カラス」だそうです。
あのカラスが、雲雀を襲うのでしょうか。
理由は知りませんが、ゆゆしき一大事です。
私の住む田舎では、まだ、雲雀が楽しそうに、
空をとつとつ飛んでいる姿を見ることができますが、
これも、貴重なことなのかもしれないと思うと、残念に思います。

  おーいそこから海が見えるか雲雀殿   秋篠 光広
空の雲雀に呼びかける、開放感に満ちた俳句です。
この句が、いつまでも身近なものとして親しまれますように、
願わずにはいられません・・・