呼吸のように・・・

俳句のエッセー

割れ西瓜

  割れ西瓜浮き沈みゆく飛鳥川   太平 栄子

『かんさいの風』より。
金沢の太平栄子先生の作品を発見しましたので、
ご紹介いたします。
割れた西瓜が、浮いたり沈んだりしながら、
流されてゆく様子が目に浮かびます。
夏の強い日差しのなか、西瓜は、哀れとも涼し気とも思える様子で
流れに揉まれつつ、過ぎてゆくのでしょう。
自註には、飛鳥地方は、西瓜の種の産地とのことで、
辺りの畑にも、割れた西瓜が一面に転がっていたそうです。
飛鳥川」が活きています。
太平先生、近頃は句会にもお見えになりませんが、
「雉」誌で、作品を拝見しております。
また、気候が良くなりましたら、お出かけください。
お待ちしております。