呼吸のように・・・

俳句のエッセー

雪晴

 雪晴の自分に向ひ話したき   細見 綾子

綾子先生の俳句です。
雪晴の自分に向かっているのでしょうか?
それは、鏡に映したような姿ではなく、
心の持ちようでしょう。
雪晴の日、それは、雪に閉ざされた後の開放感でもあるし、
雪の美しさを満喫できる時でもあります。
心がまったく自由になったとき、
自分に話しかけてしまいたい、そんな感じでしょうか。
「わぁ、気持ちいい。凛とした空気が胸に沁みて、新らしくなるみたい」
「ね、ちょっと足を延ばしてみない。河原から白山がきれいに見えるかも」
私なら、こんな感じかと…
皆さんも、話してみてはいかがでしょうか。
ちょっと、ブルーな時も、
ちょっとした発見を、自分に伝えるのです。
「空が青くて、雲が真っ白!ふわふわのパンが、ぶら下がっているみたい」
「なんだか、食べることばっかり言ってるみたいで、おかしい〜」
悩みも吹き飛びます。
或いは、この美しい景色に、素直な気分で
自分に悩みを打ち明けてみるのも、いいかもしれません。
「そう…難しいけど、私なら、……」
と、思わず答えが出るかもしれません。
雪晴の自分に向ひ話したき
誰にも真似できない、綾子ワールドがあります。