呼吸のように・・・

俳句のエッセー

真田邸

 潜り戸に蜘蛛ぶら下がる真田邸   依田 久代
ようやく余裕が出てきたようで、言葉も綴れるようになりました。
楽しみだった、NHK大河ドラマ真田丸」も終わってしまいました。
掲句は、雉同人 依田久代さんの第一句集「紙風船」より。
大阪に生まれ、現在は長野県にお住まいです。
真田邸を訪れた久代さんを、蜘蛛が逆さにぶら下がって待ち受けました。
久世さんは、何を感じたのでしょうか。
結局、真田幸村は大阪にて戦死したにも関わらず、
その名は、あるいは大名以上に、今日に伝えられています。
人の魅力とは何でしょう。
本人が抱く思いとは逆のところに、魅力とは、存在しているのかもしれません。
強く見せようとしたり、賢く見せようとしたり、
お金持ちや権力者に、人は憧れ、目標としたり、装ったりしますが、
他人には、本人が思うほど、魅力的には映らないのかもしれません。
人は、どのようなところに惹かれるのでしょうか。
よくよく考えてみたらいいと思います。
意外と、あなたが隠している部分が、他人には魅力に映るのかもしれません。
挫折、結構。
失敗、誰にもあることです。
邪心なく、不器用で、いつも倒れて、しかし起き上がる人。
逞しさの中に、魅力がありそうです。
真田邸の蜘蛛に、真田の心を尋ねてみたい気がします。