呼吸のように・・・

俳句のエッセー

ひやひや

  ひやひやと四高旧舎の床軋む   田島 和生

四高旧舎。
現在は、石川四高記念文化交流館となっています。
赤レンガの校舎は、バリアフリーにするなど、一部はリフォームされていますが、
廊下や教室は、当時のまま使われています。
床はふかふかして、歩くとギシギシなりました。
まっすぐな廊下、丸いドアノブ。
当時も今も、憧れの「四高」を象徴する建物です。
9月の金沢句会は、この旧四高で行われました。
その時は、まだひやひやとした感じではありませんでしたが、
ひやひやの季語にぴったりの建物でした。
しばし、私も四高の学生になり、廊下を闊歩します。
ふと、教室から学生のざわめきが聞こえたように思い、振り返ると、
そこには、ただ、長い廊下があるだけでした。