呼吸のように・・・

俳句のエッセー

秋の草

葛の葉を刈る一群が、あちらこちらに見られます。
葛は、木々に巻きついて、そこに木があることも分からないほどです。
秋草といえど侮れません。
我が家も草を引きました。
両隣が清楚なのに、我が家の裏だけがふさふさしているのは、
みっともないですから、一生懸命刈ります。
秋の土は柔らかく、草も、まるで畑の野菜のように、
すくすくと伸びていました。
鎌で根本から刈ると、やすやすと根を引くことができました。
やはり、夏の草と違います。
と、草の根と一緒に、蚯蚓が躍り出ました。
一瞬、何かわかりませんでしたが、
つやつやと照る身をゆっくりとくねらせたので、
蚯蚓だとわかりました。
かわいそうに、寒い寒いと言っていたかもしれません。
たぶん、すぐに土へ戻っていったことでしょう。
土の中で、温まってくださいね、
みみずさん。