呼吸のように・・・

俳句のエッセー

虫時雨

雨が去って、夕となり、虫が鳴きだしました。
虫は、途切れなく鳴き続け、
雨上がりを喜んでいるようです。
今夜の虫は、声の層が厚いようです。
虫の声。
空高くまで、響いていくように感じます。
また、声が舞い戻って、
虫の中の中に埋もれているような気もします。

  能登に来て星しぐれ虫時雨   沢木 欣一