呼吸のように・・・

俳句のエッセー

蝉時雨

不思議な自由人ありけり。
妻子あるも気に留めず、ふと姿を消したれば、
一週間も行方知れず。
妻、これをまったく気にせず過ぎしたるも、魔訶不思議なり。
適当な古文調で失礼しました。
事実、このような人があります。
そして、旅先から送られてきた、大量の俳句。
それらは全て、適当な言葉をつづってできており、
俳句というには、あまりに未熟です。
が、ここに面白さの真髄(?)があるようですので、ご紹介しましょう。

天空の城を目指すか蝉時雨
天空の城を目指して汗をかく(天空の城とは?ラピュタ?白鷺城?)
天空の小さき城の蝉時雨
蝉時雨無視して走る新幹線
星空にとどけとばかり蝉時雨
瀬戸内の響けとばかり蝉時雨
焼きそばを汗をふきふき夕御飯

―天空の城は、マチュピチュです〜行きますか?

このようなご気楽な俳句が、延々と続きます。
これでいいではないですか。
メモ程度を残して、後で推敲したらいいのです。
この、大いなる多産、これも才能でしょう。
楽しい俳句、有難うございました。
旅の終わりに届いた最後の句は、こちらです。

認知症つくりし俳句消えにけり
――季語:認知症、冬。

お見事!