呼吸のように・・・

俳句のエッセー

船虫

そろそろ海月が出る頃です。
海水浴も刺されないように、注意しなければなりません。
浜辺にたくさんのキャンプの人々。
釣りの人。海を見つめている人。
それそれのお盆休みです。
海月を探しに水辺へ行って見ます。
場所は、有磯海。
能登の海と違い、その深さは、海の色で知ることができます。
岩に足を踏み入れると、ざわつく一群がありました。
船虫です。
気持ちのいい姿ではありません。
岩の一部であるかのように見えて、
気配に敏感に、ざっと散ってしまいます。
その動きに驚く人間でした。
これ以上、波に近づけない…
船虫を追い払った岩の上で、船虫が一斉に戻って来るという
想像におびえつつ、海へ目をやると、
夕日に海の色は、一層、深い青へ変化していました。
海の色に惹かれて、海辺を更に車で走ってきました。
気だるい夕べの暑さは、記憶の中の景色と同じでした。