呼吸のように・・・

俳句のエッセー

はたた神

はたた神。
雷のことで、夏の季語です。
梅雨らしい雨が降り、今も降り続いています。
雨は、いきなり強く降り出し、その音が耳へ届きました。
雨かと思うより早く、がらがらと空が鳴り、
それが、物を動かすような音にも聞こえたので、
「何?」
と、口をついてでました。
姉と顔を見合わせたとき、また、空が鳴りました。
それで、雷だと思った私たちは、
そのことをお互いに伝えます。
窓の外を指さした私。(外の雷の音だね…)
とぼけた顔で、天井を指さした、姉。
ふと誕生仏を思い出しました…
天が鳴った、と言いたかったのですね。
はたた神。
夕方、この地方にやってきたのでした。