2016-03-15 春泥 春泥を歩く汽笛の鳴る方へ 細見 綾子 思えば、春泥も珍しくなりました。 特に、土のない都会では、春泥もありません。 春泥とは、春の雨や雪解けによって、 土がぬかるむことをいいます。 細見綾子の時代、汽笛の鳴る方、すなわち駅へ、 春泥を歩いて行ったというのです。 駅とは、旅の象徴でしょうか。 どこかへ出かけたくなる陽気を、この句は含んでいます。 春泥もまた、春の訪れの一つの証拠。 見事に春の雰囲気を表しています。