呼吸のように・・・

俳句のエッセー

牧開き

  散居村一望にして牧開き    泊 康夫
これは、稲葉山牧場でしょう。
365メートルの小さい山の頂に牧場があり、
牛がのんびりと過ごしています。
頂上からは、ふもとの散居村が一望でき、
立山連峰は、背にそびえています。
牛たちは、斜面の黒点となり、
ある時は一列に歩み、ある時は草を一心に食みます。
牧に放された牛は、解放感に満ちて見えたかもしれません。
その清々しさを散居村の一望に託して
表現している秀作でしょう。