呼吸のように・・・

俳句のエッセー

震災忌

震災忌は、長く9月1日のことを言いました。
しかし、近年は、阪神淡路大震災も加わり、
そして、東日本大震災も忘れることはできない災害として、
震災忌に加えられたと言っていいと思います。
あまりに近い出来事であるだけに、
様々な季語によって表現されている、東日本大震災は、
まだ、現実のことです。

あの日、私は遺跡の仕事をしていて、
遺物の実測図を描いていました。
実測は、遺物を動かしてはいけませんので、静かに進められます。
だからこそ気づいたのでしょう。
静かな振動が、ペンを持つ手に伝わってきました。
「揺れてる…?」
にわかに地震とは気付かず、顔を見合わせて確認しあいました。
そして、情報を集め始めて、震災の事実を知ったのです。
遠く離れた地域まで揺れが伝わりました。
津波の被害を知ったのは、もう少し時間がたってからでした。

人の無力さを知らされ、各地でキリスト者たちの祈りがささげられました。
奉仕が始まりました。
しかし、それらを必要とする現状は、今も続いています。
祈りましょう。
私たちは、自分のできることから始めましょう。
今日という日を記憶にとどめて、
復興に向けて、新たな一歩を踏み出して行こうではありませんか。