呼吸のように・・・

俳句のエッセー

余寒

   看護婦の辞表預かる余寒かな   泊 康夫

寒さの残る季節。
年度末を迎えました。
人が動く季節です。
病院長でいらした泊先生が、看護婦の辞表を預かったというのです。
「余寒」という季語から、残念な思いがわかります。
目をかけていた方だったかもしれません。
おめでたい退職希望ではなかったのかもしれません。
手にした辞表が、重く感じられたのです。
春の寒さは、切ない思いを伝えています。