呼吸のように・・・

俳句のエッセー

風花

きれいな一日でした。
お天気が良かっただけに、冷え込んだらしく、
風花が舞っていました。
空の深くから、ゆっくりとこぼれてくる雪は、
はらはらとまばらに揺れて降りてきました。
私が初めて加えていただいた句会で、
風花を詠んだ素敵な句を思い出していました。

  風花や傘を差す人ささぬ人  行雪

俳号の「行雪(ぎょうせつ)」も決まっています。
「行雪さん」と、皆、尊敬を込めてお呼びしておりました。
それは、それでよかったのですが、
ある時、本名がわからず、困ったことがありました。
それでも行雪さんは、行雪さんです。
最期まで行雪さんでした。
今でも、行雪さんです。
最初の句会で出会った、忘れられない俳人です。