呼吸のように・・・

俳句のエッセー

冬日向

  剛毛の鹿の背に触れ冬日向   田島 和生

「剛毛」という手触り、分かりますね。
冬の鹿は、特にそうなのかもしれません。
冬、太った鹿は、毛も生代わり、色も変わってしまいます。
脚が細く、可愛らしい鹿に、
つい手が伸びたのでしょう。
撫でようとして、その感触に驚きます。
剛毛に野生の逞しさを思ったかもしれません。
可愛いだけの存在ではない、鹿。
その驚きが伝わって来るようです。