呼吸のように・・・

俳句のエッセー

雉ネット俳句(10月)

佐保 光俊 選
〈特選〉
真つ直ぐに伸びてゆくなり実紫   北野 陽子 実を付けた紫式部には、整然とした美しさがある。対になった葉と、葉の付け根ごとの一かたまりの小さな美しい紫色の丸い実。「真つ直ぐに伸びてゆく」という言葉で、その特徴を捉えた。

朝夕はふんはり閉ぢし酔芙蓉   秋山 隆一 一日花の酔芙蓉。この句は、一つの花ではなく、一本の木全体としての酔芙蓉を詠んでいる。「ふんはり閉ぢし」と詠むことで、たくさんの花が次々に開いては閉じてゆく酔芙蓉の命が伝わってくる。

吾亦紅やさしく風の吹く日かな   永野 昌人 吾亦紅は、秋のスキー場のゲレンデなどでよく目にする。一帯は山の斜面なので、風が絶えない。秋に入って間もない、比較的風の穏やかな頃に咲く吾亦紅。作者が訪れた日も、やさしい風が吹いていた。充実した秋の一日。

おめでとうございます。

雉ネット俳句は、随時、俳句を募集しています。
締め切りは月末、午後9時。
ネット上の結果発表は、翌月の10日です。
月遅れで、俳誌「雉」に選評と共に掲載されています。
是非、挑戦してください。
お待ちしています。

応募はこちら↓
http://www.kijihaiku.org/