呼吸のように・・・

俳句のエッセー

白山茶花

この度、青木和枝先生が、第一句集「白山茶花」を上梓なさいました。
看護師として勤務なさっていらした青木和枝先生は、
普段は隙を見せないような、厳しさを持っていらっしゃいます。
しかし、それは仕事でのお顔。
句集を拝見して、まず、驚いたのは、
その繊細さとやさしさでした。
こう申し上げると、鉄人だと思っていたのかと
お叱りを受けそうですが、
それほど、俳句に、そして雉のお仕事に取り組まれる姿勢が
厳しいものだということと、思っていただければよろしいです。
山茶花は、泊康夫先生の忌日に咲いた、白い山茶花をお詠みになったそうです。
泊先生への、変な意味ではなく、
人としての尊敬、そして愛情を感じさせる一句でした。
泊先生とは同郷、そして、医師と看護師としての長い人生の歩み、
泊先生を介して出会った俳句への思い、
すべてが、たった17文字に表されていると感じました。
事実を事実として詠み上げた写生句。
この中に、万感の思いが込められています。
このような深い俳句、一句でいいから詠んでみたいと思います。
俳句の魅力も再度、伝えてくれている句集「白山茶花」でした。
これから、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

  康夫忌や白山茶花の一つ咲き    和枝