呼吸のように・・・

俳句のエッセー

萩の花

萩の花が見られるようになりました。

  一つ家に遊女も寝たり萩と月   芭蕉

花の名は有名ですが、実際のお花は小さくて、
草の花のようで、慌て者は見過ごすようなお花です。
庭園にも用いられていますが、山野に自生してもいます。
注意しないと見過ごすような花であるだけに、
思い出とともに印象に残るのかもしれません。
再び萩を目にしたとき、かつてのことをしみじみと思い出すのかもしれません。
話すほどのことでもなく、嚙みしめるような出来事と思い…
そのような花だと思いました。
「萩と月」、この夜の景色は、特別な出来事とは結びついていないのでしょう。
ただ、しみじみと思いを言葉に綴っています。
様々に想像させる俳句です。
俳句は、観賞によって、句の世界を広げます。
そして、観賞力は、創作力と比例すると言われます。
いずれも根底にあるのは、感性です。
感性を磨きたいと思います。