呼吸のように・・・

俳句のエッセー

雉ネット俳句(7月)

「雉」ホームページにて募集しております、「ネット俳句 7月」の結果が、
俳誌「雉」9月号に掲載されました。
以下には、その中の特選句を、選評と共に転載いたしました。
昨日の「大前貴之特選句と選評」とご一緒にご覧くださいませ。


佐保 光俊 特選
手の平に棘のこぼるる胡瓜捥ぎ   潟渕 恵美子
 自宅の庭か家庭菜園、あるいは友人の畑かもしれないが、自分たちで食べるための胡瓜を捥いでいるのだろう。形も太さも不揃いだが、どれもりっぱに育った胡瓜。商品用に育てたものとはまた別の愛着が「棘のこぼるる」から伝わってくる。

少年の祭太鼓のひびきたり   吉岡 ユキ
 作者は一人の少年の祭太鼓に注目している。何人かで祭太鼓を打っていても、その少年の打つ太鼓の音だけは、はっきりと聞き分けられるのだ。前途洋々たる少年がひたむきに打つ太鼓の音が、作者の体に響き渡る。

巡礼の寂しさに耐へ蝉しぐれ   北野 喜文
 様々な思いを持って巡礼する人々。自分自身を同行者として自覚し、自分の心と向き合いながら黙々と巡礼の道を辿る。悔いる心や詫びる心、自分を奮い立たせる決意などが巡礼者の胸に去来する。巡礼者たちに蝉しぐれが降り注ぐ。

以上、「佐保光俊 特選句」でした。
おめでとうございます。

俳誌「雉」ネット俳句の投句先は、以下です。
http://www.kijihaiku.org/
皆様のご参加をお待ちしております。