呼吸のように・・・

俳句のエッセー

戦争とは…

戦争を知っている方は少なくなりました。
もう70年になる、そう思いつつ、
それほどの時間を感じない、戦火を潜り抜けて来た人々があります。
戦争は、殺し合いです。
憎くて戦ったわけではないと言います。

戦争だから。
やらなければ自分が殺される。
自分には、国がある。家族がある。
それを守るために。
終戦は、ただ安堵しかなかった。
これで終わった、と。
自分は、憎いから殺したのではない。
しかし、この日本を恨む国があるのは、気持ちが分かる。
考えてもみなさい。
幼い頃、人からいじめられたら、ずっと憎らしく思うのではないか。
それ以上に、目の前で肉親が殺されたら、
その憎しみはなくならないだろう。
戦争だから、日本も悲惨な目にあった。
戦争だから、人にぬぐい難い苦痛を味わわせた。
戦争とは、そういうものだ…

戦う理由がなくても、戦う気持ちがなくても、
人を殺さねばならないのです。
それが戦争だと言います。
何のために。誰のために、人は戦い、死なねばならないのでしょう。
戦いたい人はいません。
死にたい人もいないでしょう。
戦争という魔物は、集団の心理に働き、
私たちすべてを、人類を、世界を、破滅に導くのです。