呼吸のように・・・

俳句のエッセー

蝉しぐれ

日ごとに、蝉の鳴き声が高くなっています。
街が明るいせいで、夜になっても鳴きやみません。
この辺りでは、熊蝉がいませんので、
シャーシャーという鳴き声は聞かせません。
その代わり、油蝉がひどく鳴いています。
ジーッと鳴く蝉です。
そのジーッは、気が遠くなるときのような、
水に沈んでいくときのような、イメージの音です。
ある時は、暑さで、ジーーーッと体が溶けてしまうような感覚で聞き、
ある時は、木陰や水の涼しさを思い起こさせる音としてとらえます。
蝉しぐれに過ごす時間、
私は青いイメージを持ちます。
幼いころ、家のすだれの色が青かったことと関係があるかもしれません。
暑くて仕方がないのですが、青さで涼しさを演出していた、
そのイメージです。
蝉がしきりに鳴いていました。
「青い夏」は、まだ当分、続きます…