呼吸のように・・・

俳句のエッセー

鰻の蒲焼

今日は土用の丑の日
大好きな鰻を食べます。
が、実は、昨日もう食べてしまっていました。
売られていたら買ってしまい、
買って来てしまうと、辛抱ができないわがまま者です。
おいしかった…
私は江戸前の背開き、一度、蒸してからのものが好きです。
蒸してあると、皮がやわらかで食べやすいです。
蒸さないで焼くと、驚くほど皮が固く、別物にさえ思えるほどです。
背開きは、武家に好まれたもので、
腹を切るのは、武士にとっていいことではないのですね。
刀の鍔に猪がほとんどないのも、「猪侍」という言葉を嫌ってのことです。
それと同じですね。
父が好きだった鰻のお店は、いつのころからか焼き具合が一定ではなく、
当たりはずれがあるようになりました。
「今日は、焼きが甘かった」と一人が言えば、
「今日のは、ちょうどいい焼き加減だった」と誰かが言います。
好みではなくて、本当に焼き具合にムラがあるのですが、
それでも許してしまうのは、古い付き合いだからかもしれません。
それで、不思議なことに、
私は「はずれ」たことがありません。
鰻運が強いようです…
これで、ひと夏、元気に過ごせたらいいと思います。
誰にも、いい夏が訪れますように…