呼吸のように・・・

俳句のエッセー

梅雨の闇

うっとうしい空模様に、暗い感じが付きまといます。
屋内では、手元が暗く感じ、読み物には明かりが必要かもしれません。
今では電気がありますので、不自由なく過ごすことができます。
よく考えれば、雨露をしのぐ家も、
外の明かりを遮るものにちがいなく、
また、窓がガラスでなければ、障子が精いっぱいの明り取りです。
昔の人たちは、大変だったでしょうね。
そう思うのは、神社や寺、文化財の中に入ったときです。
今ではライトがつけられていますが、それでも明るいとはいえません。
特に雨の日は、雨戸が閉められ、供花のカビもわからない所もありました。
唐招提寺の係の方に伺いました。
正面にかけられている、きれいな布は「戸張(とちょう)」と言うそうです。
よく知らないことは、尋ねるといいですね。
仏像は、この戸帳の奥に安置されていますが、暗くてよく見えません。
重要文化財は、ライトを照らすことも禁止されており、
よくわからないまま、通過しました。
ただ、戸張はとても美しかったので、俳句には戸帳を詠むことにしました。
文化財の知識は必要だと痛感しました。