呼吸のように・・・

俳句のエッセー

鹿の子

「鹿の子」は、夏の季語。
春は「春の鹿」、単に「鹿」は、秋の季語です。
複雑ですね。
かつて修学旅行で訪れた奈良。
鹿がたくさん歩いていまして、
それが珍しくて、かわいらしくて仕方がありません。
鹿せんべいを与えようと買って、
いそいそと食べさせました。
ぱくっと一口、鹿が噛みついたところで、せんべいが割れて、
地面に毀れました。
すると、その鹿は、
首を下から上へ振り上げて、何かと思えば、
「拾えよ!拾えったら、拾えよ」と言っているようすです。
何を、生意気な!鹿のくせに!
と腹を立てましたが、でもせんべいを食べさせたいので、拾いました…
なんということでしょう。
こうして生意気な鹿が出来上がるのですね。
鹿も観光地化してしまっているのです。
人間が悪いのですね、すべて。