呼吸のように・・・

俳句のエッセー

初燕

幾たびも山空すべる初燕......和生

燕が渡ってきています。
以外にも種の多い燕です。
近頃、このあたりには、比較的大きな燕が目に付くようです。
近所の方が言っていました。
「昔、見た燕は、もっと小さかったように思うけど、
最近は、燕も大きくなったような気がするね……」
大きくなったのではなくて、違う種なのだと思いますよ。
低空飛行で、サーっと滑るように飛んでいく燕。
空を急旋回して飛ぶ燕。
「山空すべる」と詠まれた燕の姿は、良く分かります。
「山空」という空の捉え方、「すべる」という燕の飛行の表現、
「初」燕の驚きと感動が、大きな景色となって目に浮かびます。
夏の足取りは早く、燕の躍動のように
私たちを包み込んでいきます。