呼吸のように・・・

俳句のエッセー

金魚

金魚は、なんと季語でして、季節は夏です。
フナを観賞用として、改良に改良を重ねて、現在に至るそうです。
泳ぐのが下手な金魚は、そのたどたどしい泳ぎが可愛らしいですね。
涼しさを思わせる金魚だから、夏の季語になっているのでしょう。
ある水槽で、金魚はピラニアの餌になっていました。
敏捷な和金が水槽に落とされて、
ラニアをかわして泳ぎまわっていました。
本当にすばしっこくて、ピラニアが苦戦しています。
和金はゆっくり動いていますが、ピラニアが来ると、
目にもとまらぬ速さで移動します。
ラニアの目玉が、金魚を追ってか、ぐりっと動きます。
餌にありつけないピラニアも哀れでした。
いかつい顔が、みじめに見えます。
大きな水槽にも物語がありました。
もっとも、フリフリのかわいい金魚は、
餌にされることはありません。
観賞用として、高値であり、大切にされています。
季語としては、このフリフリ金魚をいうのでしょう。
餌になる金魚は、俳句にはならないようです……