呼吸のように・・・

俳句のエッセー

春の眠気

「春眠」は、もちろん春の季語です。
暖かくなって、いつも眠い感じがして、
いざ、ゆっくり休めるとなると、この上ない喜び、
気持のよさがあります。
春の眠り、「春眠」の季語のイメージは、そのようなものでしょう。
心地よい春の眠りを「春眠」の季語に託し、俳句を作ります。
でも、眠いことは、困ったことです。
大切な仕事の場面で睡魔が襲ってきて、抵抗しきれず撃沈。
そういう失敗は、だれでも経験があるのではないでしょうか?
その場合は、「目借時」でしょうか。
蛙が目を借りに来るので眠くなる、ということで、
大切な場面での睡魔の襲来には、「蛙の目借時」が合うように思います。
春は、朝も起きるのがつらいですね。
その時は「朝寝」という季語があります。
朝寝とは、つまり朝寝坊の意味で、気恥ずかしさがあります。
おはよう、というには遅すぎる時間に起きだし、
身の置き所がありません。
そんな思いがにじみだしてくる、それが「朝寝」という季語でしょう。
季語をよく理解し、使うことが俳句の命です。
言葉は、よくよく不思議。
深いものだと思います。