呼吸のように・・・

俳句のエッセー

花大根

花大根、大根の花。
春の季語です。
幼いころ、野菜にも花が咲くことを知って、
とりわけ大根の花がお気に入りでした。
「花大根っていうのよ」と、誇らしげに説明したりしていました。
白くて、可憐で、とても大根とは結びつきませんでした。
そのお気に入りの花が、目の前に立っていたのです。
それは、今朝、階段の下で発見しました。
なんと、保存してあった大根の一本から、
すっくと伸びた茎が立ち、小さい花が咲き初めていました。
「おお」と心の中で驚きの声をあげました。
理由は二つ。
一つは、大好きな花大根に出会えたこと。
もう一つは、もちろん、しなびた大根から芽が出て、
花が咲いてしまった事実でした。
なんと、だらしのないことでしょうか。
しかし、この怠け者の私に、こんなかわいらしいお花が贈られるとは、
神様に感謝するばかりです。
怠慢にも花が咲く…
神様の恵みは、愚か者にも届くのですね。
…ちょっと、理屈に無理があるでしょうか…?