呼吸のように・・・

俳句のエッセー

余寒

  十指組む朝餉の祈り余寒かな   和生

この祈りは、「十指を組む」とあるので、キリスト教祈りでしょう。
私もキリスト者ですが、このように十指を組んでうつむいて祈るよりは、
胸元に両手を併せて祈ることが多いです。
外食の時、怪しまれないように(?)始めた癖です。
食前の祈りは、どちらかと言えば苦手です。
と言いますのは、食べ物を目の前にして我慢できない、ということです。
できるだけ早く食べたかったり、気が散ったり、
子供のようなわが姿に呆れるばかりです。
朝餉の祈り
うつむいたその時、早春の寒さを感じたのでしょう。
そして、食卓に与れる感謝、家族の健康を祈ったのだと思います。
病の方々、老いのための肉体の衰え、
健康、経済の守り、私たちの願いはつきません。
長くなくても、充実した祈り
掲句の祈り人の姿が目に浮かびます。