呼吸のように・・・

俳句のエッセー

堅雪

「堅雪」は、珍しい現象だと思います。
雪国に住んでいますが、頻繁にあるとは言えないと思います。
ただし、堅雪に乗って歩けるという意味で、です。
一度、解けかかった雪が、夜の冷え込みで再び凍り付き、雪が堅く締まります。
雪の上を歩けるので、子供のころは、堅雪が楽しくて仕方なかったものです。
それを、私たちの地方では、「空に乗る」といいます。
確かに、雲の上を歩いているような感じです。
雪がまぶしくて、普段は歩けない田圃の真ん中を突っ切って行ったり、
堅雪の朝は、登校が遊びになりました。
お昼には雪が緩んで「空に乗る」ことはできなくなるので、
朝だけの楽しみでした。
大人は「空に乗る」のは難しいでしょう。
時々は乗ることができるでしょうけれども、子供のようにはいきません。
生活の中での遊びでしょうか。
堅雪は、人の心を楽しくさせる、自然現象です。