呼吸のように・・・

俳句のエッセー

面白俳句

先日の句会から、面白い俳句を見てみましょう。
点が入ってなかったので、作者はわかりません。
ですので、引用であるということと、
いくらか問題のある作品であろうということを
明確にしたうえで、以下に見ていくことにしましょう。

「春隣灯油値下げのちらしかな」
川柳のようですね。
春隣ということは、もう暖かくなるということですか。
それなのに、灯油が安いというチラシが入ってきたのでしょう。
なんと意味のない、灯油値下げのチラシ。
「かな」の詠嘆で、思いを伝えているのかもしれませんが、
ちょっと、俳句になりにくい題材かもしれませんね。

「亡き母のふふむ盆梅ふれにけり」
亡き母のふふむ…と読んでしまい、思わずびっくり。
つぎに、「ふふむ盆梅」とわかり、なるほどと読み直します。
すると、「亡き母の」の「の」が、格助詞のように受け取れ、
「亡き母が綻んでいる盆梅に触れた」と解釈できるようです。
語順がおかしいのでしょう。
「亡き母の盆梅ふふみ○○○」
とすれば、いくらか良くなるかと思いました。

「更生を音沙汰なしに梅真白」
これは、どう解釈したらいいのでしょうか。
「更生」とは、穏やかではありません。
しかも「梅真白」で結んであります。
何があったのでしょうか。
もしかすると、近頃の少年犯罪を題材にした作品かもしれません。
時事俳句というよりも、テレビ俳句だと思います。
俳句では、基本的に主語は自分自身ですので、
あまり紛らわしい作品は作らないほうがいいと思いますが、
いかがでしょう。


このような批評を公開してしまって、申し訳ありません。
ただ、とても面白かったことと、
勉強になると思いまして、引用させていただきました。
ご批判は、コメントにて、お受けいたします。

失礼いたしました。