呼吸のように・・・

俳句のエッセー

シジュウカラとコゲラ

今日、風が頬を刺すような寒さでしたが、
城山へ出かけてみました。
途中、八重桜が何本も切られていて、
オレンジ色の伐り口が痛々しく思えました。
12月は、例年になく大雪でしたが、
12月に降る雪はべた雪で重く、木に与えるダメージは大きいのですね。

しばらく行くと、笹鳴きが聞こえてきました。
笹鳴きは、いつも小川の向こうの木々から聞こえてきます。
そこで佇んでいると、鳥の群れがだんだんと近づいてきました。
身動きしないで観察していると、鳥たちも警戒せずに、
梢から下枝へ、そして、雪の地面へ降りて来て、啄んでいます。
ふと飛び立つと、たくましい羽音がしました。
シジュウカラの群れです。
雀のような群れではありませんが、距離をとりつつも、
お互いに意識しあいながら、餌を啄み、枝を渡り、地へ降りて来ていました。

その中に、毛色の違う鳥が、一羽いました。
木の幹を、器用に上っていきます。
枝ぶりも大きくない木でしたが、梢まで行くと、
そのあたりを見回しています。
左右を見、枝に逆さになったりして、
やがて、トトン、トトンと突き始めました。
頭を右へ左へ傾けながら、枝を突いています。
細かな縞模様の様な柄、これは、コゲラだと思いました。

コゲラは、シジュウカラの群れに、一、二羽、混ざっていることがあるそうで、
大きさも、柄も、図鑑にあったものと似ています。
これは、きっと、コゲラです!

カメラを持っていきましたが、取り出すと、鳥たちは逃げてしまうと思って、
撮影はしませんでした。その代わり、
この目にしっかりと焼き付けてきました。
おかげで、体は冷え切って、首も痛くなりましたが、
幸運な出会いには代えられません。

今日は、木になりきって得た出会いでした。
また、会いたいですね。