呼吸のように・・・

俳句のエッセー

月山きのこ

一品は月山きのこ塩むすび......和生

塩むすび
日本人なら、誰でも好き嫌いなく食べられます。
今では、お弁当にいろいろな種類がありますし、
保温性のあるお弁当箱も出ていますので、
食卓に近い形で、お手製のお弁当を楽しむことができます。
それでも、おむすびは例外なく愛されていて、
コンビニでも取り扱われています。

掲句の「月山きのこ」とはどのようなものか分かりませんが、
月山はきのこが豊富な土地だそうで、
新鮮な地産のきのこを、多種、手に入れることができるのでしょう。
塩むすびに、きのこ。
この取り合わせは、口にしたことがありませんが、
おそらく素朴な美味しさに、感激を覚えたのでしょう。
日本人におなじみのおむすびが並びます。
梅、昆布、雑魚、めんたいこ…などがあったのでしょうか。
そして、その中に珍しい「月山きのこ」。
「一品は」という限定された表現に、土地柄と味への自信を強く印象付け、
塩むすび」で、きのこの旨みが、より具体的に分かります。
塩に引き出された、素朴なきのこの旨み、「月山きのこの塩むすび」に、
読み手の想像が膨らみます。
月山を訪ね、その豊かな自然に触れて、
食事に元気付けられて、心も体もリフレッシュしたい…そう思わせます。
月山の魅力を伝えた一句と言えるでしょう。