呼吸のように・・・

俳句のエッセー

虫時雨

聖歌隊の練習があるので、毎金曜日の夜、教会へ出かけます。
今夜も出かけましたが、早く着いてしまい、まだ誰もきていませんでした。
一人で暗がりの小礼拝堂へ入り、電灯をつけました。
そこからガラス越しで礼拝堂を眺めると、
小礼拝堂からの灯に照らされた椅子が、二列ほど見える程度で、
あとは、この部屋が映っているのでした。
落ち着くと、虫の声が聞こえているのに気がつきました。
虫の声、というより、虫時雨です。
気にすると、ますます鳴き声が高くなるように感じます。

教会の一部屋を灯して聞く虫時雨。
まだ7時にならないのに、もう暗くなってしまいました。
一層、肌寒さを感じる夜です。
半袖は、もう着られませんね。
秋の夜は更けゆきます。