呼吸のように・・・

俳句のエッセー

良夜

先日の名月を俳句にしてみます。
東の空から昇る月は、残照の空に透けて見え、
しかも、絶大な存在感で登場します。
夜が更けて、ライトのように天空に浮かぶ月は、
ふだんは見られない闇の中の稲穂の一本一本を
目に映るようにしてくれます。

名月、満月、望月…いろいろ悩みます。
月明かりをどのように言い表したらいいのか、
そこで「良夜」という言葉に出会いました。

「良夜」その通り、良夜です。
手にした古い句集の背表紙は色あせていました。
積み上げた本の一部が崩れることも、
足元が明るいことも、自分の影を楽しんで歩き回ることも、
良夜の出来事です。

良夜を詠みました。
どんな句になったかは、明日の金沢句会でのお楽しみです。