呼吸のように・・・

俳句のエッセー

酔芙蓉

風の盆が始まりました。
電車は混み、道路は渋滞。
近辺へお出かけの際は、ご注意ください。

子供のころは、おわらを踊りました。
私は八尾出身ではありませんが、
おわらも踊り、麦屋も見、こきりこ節も歌いました。
この辺りは、このような文化なのです。

しかし、有名になりすぎたために、観光客が増え、以前の趣はなくなったとも言われます。
それで、私は一度も本物を見たことがありません。
そのうちブームも去るかと思いきや、人気は定着し、衰えを見せません。
また、いつでもいける距離というのが問題で、つい先送りしてしまっています。

小説「風の盆恋歌」、これが人気の発端です。
登場する家屋もモデルがあるとのことを、鏡町出身の方が教えてくださいました。
小説に登場する「酔芙蓉」。
各家の玄関先にみられるこのお花は、小説に輝きを添えるアイテムとしてふさわしいでしょう。
しかし、八尾の酔芙蓉の起源は、小説「風の盆恋歌」なのだそうです。
それまで見られなかったこの花を八尾に普及させたのは、
ほかでもない「風の盆恋歌」であり、作家、高橋 治だったというわけです。

それはさておき、「酔芙蓉」は、風の盆に似合うお花ですね。
あでやかで、悲し気で、健気で、「恋歌」のイメージにふさわしいお花です。