呼吸のように・・・

俳句のエッセー

真っ白な百合

目の前を、真っ白な百合の花束が過ぎる。
棺には、銀の十字架が施され、
ゆっくりと、まるでスローモーションのように、
百合の白さが眼前を過ぎていった。

地上の九十三年の生を思い、そして、今この時を、
あなたはどのように見ているのだろうか。
もはや、地上の悲しみも苦労も過ぎ去り、
すべてが新しく造り変えられた今、
喜びだけがあると信じている。

残された私たちは、悲しみのほかはないけれど、
どうか、全能者とともに、見守っていてほしい。
あなたを失った私たちが、慰めを得るように祈っていてほしい。

今、身元に引き寄せられた魂を、
あなたの愛をもって抱きしめてくださいますように。
慰めてくださいますように。
再びまみえるその時まで、平安でありますように…