呼吸のように・・・

俳句のエッセー

風鈴

我が家の縁に出る戸の把手に、鉄の風鈴がかけてあります。
ほかに吊るところがないことと
防犯のために、そうしてあります。

誰かが戸を開くと、よく響く音が聞こえてきます。
夏、風の涼しい日は、開け放ってありますが、
風で鳴ることは、ほとんどありません。

縁側へは、兄がよく煙草を吸いに出ます。
出ていくときも、入ってくるときも、風鈴が教えてくれます。
とても便利です。

「風鈴」は、夏の季語ですね。
鉄製やガラス製や、陶製のものもあるそうです。

みちのくと江戸の風鈴音を競ふ    泊 康夫

みちのくの風鈴は、鉄。
江戸の風鈴は、ガラスです。
想像しただけで、嬉しくなるような、楽しくなるような風景ですね。
軽い音、高い音、遠くまで響くような音、細かくなる音…
さまざまに思い浮かべます。
みちのくと江戸。
贅沢な夏の音色でしょうか。