呼吸のように・・・

俳句のエッセー

桐の花

倶利伽羅峠。桐の花。
九十九折りのこの一角だけは、なぜか好きな場所です。
あやめやカラー、そして古びた筧があり、反対側は、桐の花。
午前中は、直接日がさします。
桐の花は、光を浴びて、どれも空を向いています。
桐の花の指す空の高くに、昼の月が浮かんでいました。
昼の月はぼんやりとして、儚くみえます。
なぜ、花は天を指すのでしょう?
なぜ、空を目指すのでしょう?
人がなぜ生きるのか、というのと同じほど、
愚かな質問なのでしょうか?